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kotoden
年末、毎年恒例となっているミヤモトシンタ氏との1日旅行。
彼企画によるツアーはいつも楽しい。
花見に行っても既に散っていたり、紅葉狩りに行っても、まだ早かったり。
雪見のつもりが快晴。海を見たくてもあまり良い景色なし。
そして大体いつもひたすら歩き続ける。
だけどとにかくいつも好天に恵まれる。
とにかくその残念さがなんとも二人とも「どうでしょう好き」故か、妙に魅力的で、毎年、彼から誘われることを心待ちにしている。

今年はしかし非常に暴力的な誘われ方であった。
「京都7:30出発と、京都7:23(新大阪7:43)出発の2案にほぼまとまった。
どっちにする?ちなみに行き先は違う。」というメールがあった。
んで、「7時43分新大阪にするか」と返事を送った。
それまでのメールの流れから奈良だよなあ、と理解していた。
そして当日、朝、合流。「んで行き先は?」「ああ。じゃあ今言うか。高松だ」「は?」という会話の流れがあった。「本州出るって言ってねえんだよ!!」みたいなどうでしょう的な展開。さすがはミヤモトシンタ。

大体普段は被写体になるでもない場所をふらふら周りつつBOW的小ネタを拾うのが我々の旅の大体の趣旨であったが、今回は大目的は1つ。当然「うどんを食う」
になった。食に重きをあまり置かないミヤモトシンタ氏にしてはこれは珍しいやり方である。
ツイッターでみなさんからうどん情報を得つつ、いざ高松へ。

高松にて。最初に行ったのはツイッターで情報を頂いた「うどん市場」である。折りしも12時過ぎ。まだ冬休みに入っていない企業もあり、高松市内のビジネスマンたちが足早に商店街に向かっている。そんな中、おのぼり然といった感じの姿の我々(特に私)は浮いていた。しかし、香川が誇るファストフードでソウルフードでもあるうどんである。並んでも案外早く食えるのではないか。そう確信した我々は数人が並ぶお店へ。予想通り速やかにお店の中へ。
そして、うどん。
udon01
高松で食べるうどんはやはりうまい。そりゃあもう。
店の雰囲気に呑まれながらも慌しく、同時にうまさに誘われてずるずるとかきこむ。
安い。うまい。
その後、商店街を散策。
途中の雑貨屋さんにいた猫を激写。
takamatsucat
ひとしきりミヤモトシンタ氏がたわむれる。
そして商店街を歩く。途上、パン屋さんに立ち寄るミヤモトシンタ氏を待ちながらその脇の路地が気になる。かなりすてき。
roji
路地を散策。大人のおもちゃ屋さんとか、かなり魅力的な店が並ぶ。

その後の記録はまたいずれ。といっても旧高松城くらいしか話題はないが。
ともかくもうどん。
帰りの電車のことを想定すると時間があまりなくなる。候補となるうどん屋さんを駅前の観光案内所で得たマップで探す。行けそうなところで2軒。
行ってみると1軒は既に閉店していた。そしてもう1軒は影すら見えず。残念。
その後、早足で比較的近くにあった「ばん家」というお店に向かう。時間はかなりきつい。たどり着いた。
慌しく中に入ると、中はさすがに3時前となるとお客はいない。
そして、うどん。「平成14年さぬきうどん技能グランプリ」のゆでうどんの部で全国製麺協同組合連合会会長賞を受賞した(四国新聞社より)といううどんは確かにうまい。思わずうなった。
banyaudon
名残り惜しいが時間がない。こちらも慌しくかきこみ、そしてお店を出る。
駅までだいぶある。残り時間はわずか。早足で駅まで向かう。遠い。しかし向かう。
駅に着くと発車10分前。予想よりかは時間があったがみやげを買うにはやや足りない。それでも「山越」のうどんを買いこみ、電車へ。
行きも帰りもほぼ座れたのが幸い。帰りの電車ではミヤモトシンタ氏は日ごろよりも食べ過ぎたらしく途中でダウン。
私はツイッターなどをだらだら。途中、相生付近で人身事故のためにダイヤが乱れる。この辺りでダイヤが乱れると1時間は帰りが遅れる。ひやひやしながらもその後は順調で、当初予想より1時間遅れで新大阪着。解散。

楽しかった!いやもう。相変わらずの歩く旅だが、楽しかったわさ。
ありがとう、ミヤモトシンタ氏。
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『トポグラフィの日本近代 江戸泥絵・横浜写真・芸術写真』
佐藤守弘 青弓社

江戸泥絵とは、江戸時代に参勤交代で地方より江戸に来る下級武士のお土産として江戸屋敷を描いた風景画のこと。強い遠近法と「プルシアン・ブルー」という独特な青を使用した絵。
横浜写真は、明治時代になってから外国の観光客用に撮られた「日本らしさ」を強調した西洋の文明に「毒されていない」土着の姿を主とした写真。
芸術写真は、日本人が「風景」を「発見」した近代、記録としてではなく、表現の主体として撮影された写真である。しかし、その芸術写真は絵画でも写真でもない雑種という評価さえされてしまっている。

江戸泥絵も、横浜写真も、芸術写真もいずれも従来は芸術としても記録としてもあまり評価をされてこなかったようである。
筆者は、これらのものをアイデンティティを確認する装置として焦点を充てる。
私が印象に残ったのは、「どこにでもありそうなもの」を切り取ることで、個々人の中に郷愁や帰属意識、連帯感を生み出そうとする行為としてこれらについて筆者が論じた点にある。筆者が紹介したものの中に童謡「ふるさと」がある。
ふるさとの歌詞は多くの日本人が郷愁を誘われるものである。私自身、あの歌にあるようなふるさとは全く原風景としてはない。しかし、あの歌を聴くと「ああ、いいなあ」とか、「ふるさとかあ」などと思う。私と同様に、あのような風景を幼い頃に体験せず、しかしあたかも日本の象徴としてあの歌を認識している人は多いのではないか。私は、このようなある種の虚構としての原風景を生み出す行為に興味を持った。
昭和歌謡の1つ、「木綿のハンカチーフ」も、地方から働きに出た人々の姿にシンパシーを持った当時の人々に受けたのだと思う。今ではあの歌の内容は理解できない人々も増えたのではないか。あれも昭和の「ふるさと」ともいえる。

あるいは明治以降の平安神宮や時代祭りなどの京都の「京都らしさ」という虚構。

いろいろと想像を膨らませることができる。非常におもしろい本だった。
『ペルセポリス1 イランの少女マルジ』 マルジャン・サトラビ 園田恵子訳
バジリコ株式会社

1980年。10歳になった少女マルジ。舞台はイラン。
革命。
戦争。
激動の時代。
身近でもさまざまな人が逮捕され、拷問を受け、処刑される。
戦死。爆撃。市民の死。
開明的な両親に育てられた主人公は当時のイランで変わり行く価値観にも疑問を抱きながら成長する。
そして14歳になった彼女は1人、両親のもとを離れ、オーストラリアへ移住することに・・・。というのが1巻のクライマックスだが、そういう骨子が大事なのではない。
日々の日常が淡々と描かれる。その様、その描写こそが大事。
こんな暮らしをしていた少女がいる。なんというか・・・・。1巻というのが余計に重い。2巻。気になるけど・・・。うむ・・・。
『モードの迷宮』鷲田清一 ちくま学芸文庫
たぶん、ファッションを勉強するなら最初の方に読んでおくべき本だよなあ、と思いながら、周りにファッションを勉強している人が多いというのに、この間初めて読んだ。
大阪大学の学長をされていて現在は大谷大学におられる著者による本書は表紙は悩ましいコルセットに身を包んだ女性の肢体。表紙は悩ましいけど中身はそんなわけないじゃんと思ったら内容はとってもエロティック。もちろんそれだけではない。服を着ることは慎み深いことか?服ってそもそもなんのためにあるのよ、と、主に女性の服装の変遷を描いた本書は、服のデザインに見られるどう見せたいか、というものをデザインと、プレイなどをもとに解説する。難解だけどふむふむと思うこともしばしば。とても勉強になったけど、1回じゃ理解できない。何度も読むべきだろうが、これをとっかかりにいろいろな本を読んでいけばよいのだろう。名著。
しかしこの本が『マリ・クレール』で連載されていたものだというのが驚き。当時のおしゃれな女子はこれをどう読んでいたのだろう?
『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』藤谷治 小学館文庫
これもなかなかメモが書けていなかった本。
ストーリーテラーというか、プロの作家という言葉が多分ふさわしい
藤谷治さん。一作ごとに作風を変える作者による本作は不思議なムードを
漂わせたリズミカルなドタバタコメディ。医療系の資料を病院や大学などの
専門家に提供するビジネスを提供している企業で働く人々。体中に不思議な
タトゥーを入れているヒロイン。その博覧強記男の恋人。下北沢路上美形
弾き語り男。謎のお金持ち令嬢。ハードボイルド映画おたく。
こういった一筋縄ではいかない人々が不思議な縁で仲良くなり、面白おかしく
何気ない日常の果てにタトゥーフェチの上司の男のせいで単なる日常コメディが
最後はドタバタコメディになる。
とにかく勢いのついた作者の文章をリズミカルに一気に読む。この本の楽しみ方
はたぶん、そこにある。
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