忍者ブログ
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[01/05 ミヤモト]
[05/16 sheep]
[11/08 sheep]
[11/07 たこすけ]
[10/21 sheep]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
sheep
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『未完のレーニン<力>の思想を読む』白井聡 講談社選書メチエ

レーニンの問題作、『何をなすべきか?』と代表作『国家と革命』。
社会主義革命の実践者たるレーニンの思考をたどる。
ただの机上の空論でもなく、日和見主義でもない、本当に夢みたいな理想をひたすら現実的な視点で、実現させたすごさ。確かにレーニンの描いた夢は夢でしかなかったことは20世紀を終えた今なら簡単に一笑にふせる。でもそれはやはり今見直してもすごいことだったし、そして彼が向き合った資本主義社会の諸問題は、彼の夢が潰えた今、さらに悪化しているように思える。

たぶん、白井さんの言いたいことの一つはそういう今だからこそ、レーニンを知ろうということだろう。そして彼は2011年3月11日のあの日から、そのレーニンをふまえつつも新たな何かと向き合っている。
レーニンをたどっていない自分のような人間はだからこそ、2011年3月11日を経過した今でも、やはりこの本と出会えたことはよかったのだろう。
PR
『日本文化の論点』宇野常寛 ちくま新書
うーん・・・消化不良。本気を出していない完全版セルと戦うベジータの気分。
たぶん、本気出されたらあっという間にこてんぱんになるんだろうけど。

個人的に印象的だった箇所は、特撮監督の円谷英二が戦時中は戦意高揚映画を撮影したという話。戦後のウルトラマンは貧弱な日本の軍、謎の外部からの侵略者、それを守るヒーローという流れは冷戦を意識したものだったという話。なるほど、そう考えたら、メトロン星人の人を信じられなくするタバコの原材料である実は赤くなければならないし、日本のアパートでちゃぶ台ごしにウルトラマンとメトロン星人が交渉をするのもなかなかに意味深だし、最後のナレーターは本当に深い。

とても読みやすい本だったし、AKBがすごいということもなんとなくわかったんだけど、個人的な印象としてはもう少しぶつけてきてほしかったなあ・・・という感じ。
1日で軽く読めたし、まあよかったのかな・・・。
『定本夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(下)佐々木中 河出文庫
ボリュームある上下巻の下巻。
だいぶ前に購入したのだが、出だしの「歯ごたえ」に今は読めないと思って本棚に安置してた。
ネット上で見つけた図書新聞の佐々木中インタビューを見て、「素人の鷲掴みな読み方」でもいいんだ、と佐々木さんの言葉に焚き付けられ、この夏、読んだ。
結果として言えば、理解できたとは到底言えない。特にフーコーについて書かれた下巻後半については進むにつれてよくわからなくなった。

それでも、読んだ甲斐はあったように思える。
今、ここがよかったとか、この点がしっかり記憶に残っている、という点はない。
これからの中でまた「ああ、こういうことが書いてあったなあ」ということを思い出すのではないかと思う。
そしてまた、気が向いたら読み直すのではないか、と思っている。
『意識と本質 精神的東洋を索めて』井筒俊彦 岩波文庫
イスラム学者による東洋哲学の分析。読んだ、というにはあまりに理解できていないがともかくも読んだ。
体系化されていない東洋の哲学を、西洋の哲学の手法で整理したとのこと。
孔子、老子や荘子。禅、ユダヤ教、イスラム教において、ものごとを認識する意識と、それによって理論だてられた本質とはどんなものか。
まだ道半ばのようにも思えた一冊だが、思索の流れのようなものが見えておもしろい。
『言葉と歩く日記』多和田葉子・岩波新書

同僚から薦められてお借りした一冊。
他の積んである本もあったので、後回しにするつもりだったが、思うところがあり、先に読んだ。

多和田さんが言語について集中的に考えていた時期の自分の観察日記。

日記なので、大きく感情を動かされる場面はない。しかし、彼女の言葉への向き合い方には興味深い場面が多く、ときどき検索をしたりして遠回りをところどころでしてしまった。

最後の方で書かれていた「クリエイティブな仕事につきたい」という子供からの将来の夢への回答にびっくりした、という箇所は特に印象的だった。芸術に携わっていたらそういう言葉は出てこないだろう、という。なるほど。
忍者ブログ [PR]